日の丸自動車グループには、12社のグループ会社があります。
それぞれ異なる個性をもつ会社が揃っていますが、実際にどんなところなのでしょうか。
各社の雰囲気や働きやすさを探るため、取材にうかがいました!
今回取材させていただくのは、世田谷区にある「鳩タクシー株式会社」です。
三軒茶屋駅から東急世田谷線に乗ること約7分。ゆったりと走る路面電車に揺られて車窓風景を楽しんでいると、会社がある「上町駅」に到着しました。
上町は世田谷区のほぼ中心に位置し、周辺には天祖神社や馬事公苑があります。毎年、大勢の人で賑わう蚤の市「ボロ市」が開催される街というと、ピンとくる人もいるかもしれませんね。
上町駅を出ると商店街が続いていて、飲食店や薬局、雑貨店などが並んでいます。
6分ほど歩くと、「鳩タクシー株式会社」の看板を発見! 駅から近いので、通勤しやすそうです。
「こちらが社屋です」と会社の前で出迎えてくださったのは、運行管理者の早坂博信さん。今回は早坂さんに会社を案内していただきましょう!
まず目に飛び込んできたのは、ずらりと並ぶタクシー。よく見かけるトヨタ クラウンコンフォートに混ざって、ワゴンタイプのタクシーもありますね。
早坂さん:「これは“ジャパンタクシー”といって、昨年から導入がはじまった車種です。鳩タクシーでは現在、2台のジャパンタクシーが運行しているんですよ」
ジャパンタクシーは “次世代タクシー”とも言われていて、車いすでも簡単に乗り降りできるようスライドドアになっていたり、移動中もくつろげるよう社内が広くつくられていたりと、細かい配慮がされています。2020年の東京オリンピックに向けて各社で導入を進めていると聞いていましたが、鳩タクシーでもすでに運行しているんですね!
関心していると、ちょうど仕事を終えたタクシーが帰ってきました。これから車を掃除するのかな……と思いきや、そのまま向かったのは、駐車場の隣にある洗車機!
ドライバーさんが手洗いで洗車をするタクシー会社が多いですが、鳩タクシーには洗車機があり、しかも無料で使えるんです! 車のお手入れは毎日のことなので、こうした設備があるとドライバーさんも嬉しいですね。
さて、いよいよ社内にお邪魔しましょう。入口を通ると、自転車やバイクが並んでいます。
早坂さん:「これは、自転車通勤やバイク通勤の方のものです。マイカー通勤もできるので、裏の駐車場に車を停めている方もいますよ」
鳩タクシーはバイクや車での通勤もOK! そのため電車で通う人はもちろん、多摩や八王子など、遠くから車で通っている人も少なくないそうです。
早坂さん:「あと、お見せしたいのがこちら」
そう言って階段を上る早坂さんについていくと、社屋の3階に到着しました。ドアを開けると、廊下の先には6つのドアが。
早坂さん:「3階には6室の社員寮があるんです」
鳩タクシーは、社員寮も完備! この日も、仕事を終えたドライバーさんが自分の部屋で休憩しているところでした。通勤しやすい・寮があるというのは、職場選びの際に大きなメリットになるのではないでしょうか。
さらに2階には、浴室と仮眠室も完備されています。
早坂さん:「社員なら誰でも使えるので、みんな運行から帰ってきてからお風呂に入ったり、仮眠室で休憩をとったりしています」
仮眠室は12人が寝られる広さがあるので、疲れた日もゆっくり休めそうです。
設備や制度など、案内してもらうほどに、鳩タクシーが“働きやすさ”を考えた会社であることがわかります。実際に働いているドライバーさんたちにも話を聞いてみましょう。
ドライバーの中嶋聖司さんは、入社して1年半ほどの新人さん。前職は調理師だったそうです。
中嶋さん:「もともと自動車の2種免許を持っていて、東京出身ということもあり都内の地理は知っていたので、ドライバーへの転職を決めました」
- とはいえ、まったくの異業種からの転職。最初は大変なこともあったんじゃないですか?
中嶋さん:「道や建物の名前がわからないこともありましたね。でも、わかるフリをせず素直に聞くと、お客様も快く教えてくれるんです。聞き方や学ぶ姿勢が大切だと実感しました」
- 社内の雰囲気はどうですか?
中嶋さん:「ひと言で言うと、“アットホーム”です。特に運行管理者や事務の方が温和で、道を覚えられない時に相談にのってもらったりしています」
- 相談しやすい環境というのは、未経験の方にとって心強いですね。ドライバーの仕事で、やりがいを感じていることを教えてください。
中嶋さん:「やっぱりお客様とのふれあいですね。接客が楽しいです。私は食べることが好きなので、飲食店の紹介とか食べ物の話とかをしていますよ」
ここで、「入社後の体重の増加具合が1番だもんね」と早坂さんの合いの手が入り、中嶋さんも思わず照れ笑い。鳩タクシーの和気あいあいとした雰囲気が伝わってきます。
続いて、ベテランドライバーの鑓田明さんにもお話をうかがいましょう。
鑓田さんも異業種からドライバーに転職された方で、以降15年にわたって鳩タクシーに勤めています。
鑓田さん :「前職は営業をしていました。私がドライバーに転職したのは、定年の2年前だったんですよ。老後の仕事として続けられることがしたいと思って転職を決めました」
定年の2年前というタイミングでドライバーに! ここで、気になっていたことを鑓田さんに聞いてみます。
- 鳩タクシーのドライバーさんは50〜60代の方がもっとも多く、鑓田さんがドライバーになったのもそのくらいの年齢だったと思います。定年を前にして新しい仕事に挑戦することに、抵抗はありませんでしたか?
鑓田さん :「そうですね……前職が事務系だったこともあり、ドライバーの仕事は体力的に大変だなと思ったことはあります。でも、人間関係や環境にはいくつになっても順応できますし、鳩タクシーは思いやりのある人が多いから大丈夫。年齢や経験の有無より本人のやる気次第だと思いますよ」
勤続15年の鑓田さんだからこその、説得力が感じられる言葉です。
鑓田さん :「今はベテランの立ち位置になりましたから、ほかのドライバーが職場になじめるような気遣いもするようにしています。鳩タクシーには130人ほどのドライバーがいますが、全員に声をかけるよう心がけています」
さらに鑓田さんは、親睦会の役員も担当しているといいます。
鑓田さん :「親睦会では、ボーリングや釣り、野球、ゴルフのクラブ活動をしています。参加は任意ですが、みんな仲良くやっていますよ」
壁にはボーリング大会のお知らせや野球チームの集合写真などが貼られていて、クラブ活動は充実している様子。個人仕事というイメージが強いタクシードライバーですが、ドライバーさん同士のふれあいがあるのも鳩タクシーの魅力になっているようですね。
最後は案内をしてくれた早坂さんにもお話をうかがいましょう。鳩タクシーは「運行管理者がドライバーのことをよく考えて、フォローしてくれる」と聞いていましたが、その役割を担っているのが、早坂さんをはじめとする4名の運行管理者さんたちなんです。
早坂さん:「運行管理者の仕事は、ドライバーが事故することなく、気持ちよく走れるようにサポートすること。具体的には、その日の天気や交通情報を共有したり、運行中のドライバーからの連絡を受けたりしています」
- ドライバーさんを影で支える大切な仕事ですね。どんなことに気をつけて仕事をしているんですか?
早坂さん:「1人ひとりに合わせたコミュニケーションをとることです。ラフに接する方が仲良くなれる人もいるし、丁寧に接した方が信頼関係が築ける人もいますから。全員とまんべんなく接するようにしています」
- 早坂さんから見た鳩タクシーはどんな会社ですか?
早坂さん:「“いやすい”会社ですね。私は、自分の家と同じくらい、いやすいと感じています。ドライバーさんたちもそう感じてくれているようで、勤続10年前後の方が1番多く、中には20年以上になる人もいますよ」
取材させていただき、働きやすい職場だということが伝わってきました。
- ちなみに、ドライバーさんたちの売上状況はいかがでしょう?
早坂さん:「タクシードライバーの仕事は、山手線内に入ると稼げると言われています。鳩タクシーは世田谷通りが目の前なので、そこから都心に向かうお客様を乗せることが多く、自然と山手線内に入ることになるんですね。お客様がいなくて困ることがなく、また売上が上がることで、モチーベーションアップにもつながっていると思います」
なるほど。通勤が楽なだけでなく、ドライバーの仕事をする上でも好立地な職場なんですね!
早坂さん:「そういう意味でも“働きやすい”職場だと思います。あ、最後にうちの営業部長を紹介しますよ!」
すると、早坂さんの合図でやってきたのは……犬!?
早坂さん:「職員の飼い犬でアンジーといいます。こうして一緒に会社にやってきて、いつもみんなを癒してくれているんですよ」
アンジーを囲ってみなさんが談笑する様子は、まさに“家族”の雰囲気。こんなあたたかい職場なら、たとえ未経験からのスタートでも、楽しく、安定して働けそうですね。
鳩タクシーのみなさん、ありがとうございました!