「この会社なら働ける」と入社を決意
友人のひと言がきっかけでドライバーに
数十年前に性転換手術を受け、男性から女性になりました。その後は水商売の世界に入り、自分のお店を経営していたんです。けれど仕事柄、生活が夜型になってしまったり、お酒をたくさん飲まなければならなかったり……次第に、お店を続けていくのは難しいと思うようになりました。
とはいえ、どの仕事に転職したらいいかわからず迷っていました。そんな時に友人が、「タクシードライバーがいいんじゃない」と勧めてくれて。実は私、オートレーサーになりたいという夢を抱いていた時期もあるくらい、運転が好きなんです。
そこでタクシードライバー専用の求人サイトに登録したところ、紹介されたのが日の丸交通でした。世田谷営業所に配属され、現在は2年目になります。
日の丸交通は受け入れようとしてくれた
日の丸交通の面接を受けた時に感じたのが、「この会社なら全面的に受け入れてくれそう」ということ。きつく当たられる覚悟で臨んだのですが、そんなことは全くありませんでした。以前にも性転換した社員がいたことを話してくれたり、採用後は女性として保険証を発行するために書類を集めてくれたり、私の意向を汲もうと親身になって動いてくれたのが嬉しかったです。 現在、私が勤務している世田谷営業所では、一部のトイレをオールジェンダーにしています。これは多様性を意識した取り組みなのですが、女性として扱われたい人からしたら、男女兼用は嫌だと思う可能性もありますよね。一人ひとり感じ方は異なるので、やり方に正解はありません。難しいところではあるのですが、何事も前向きに受け入れて、ちゃんと考えてくれる。そこが日の丸交通の魅力だと感じています。
働いて感じる接客の楽しさ、働きやすさ
私は人が好きなので、接客をしている時が楽しいです。初めての営業で高速道路を走ったり、お客様の人生における重要なシーンに立ち会ったり、これまでいろいろなことがありました。お乗せした方のことは、だいたい覚えていますよ。 お客様を乗せる時は、相手の立場に立って物事を考えること、空気を読んで接することを心がけています。降車時に「こんなタクシーは初めて」「楽しかった」と言っていただくこともあり、やりがいを感じます。 また、前職に比べて休日が増えたので、体が楽になりました。前は休日となると、疲れを癒すために寝て過ごしてしまうことが多かったのですが、今はアウトドアに出かけることが多いです。釣りやキャンプが好きで、自然の中で過ごす時間がリフレッシュになりますね。お酒の量もぐんと減りました。
今後はドライバーとしての「引き出し」を増やしたい
今の目標は、ドライバーとしての引き出しを増やすこと。東京出身なので地理はある程度わかっているつもりだったのですが、実際に車で走ってみると、まだ知らないところがたくさんあると気づいたんです。
ひとつの目的地に行くためにも、ルートはいくつかあります。「この道がダメならこちら」という選択肢・手段を増やしていきたいですね。そういうことがわかってきたら、ドライバーの仕事がもっと楽しくなると思うんです。